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建設業許可のお話【その3の2】~誰がやるか(技術者編)

建設を営むすべての方のアツきサポーター

しんもり行政書士事務所 行政書士 新森です。

 

続きものの4回目。今回は

 

③誰がやるか

 

技術者編です。

 

前回は『経営の責任者』が必要ということで、経営業務の管理責任者のお話しをしました。

 

ちょっと追記しますと、複数の営業所が設置される大臣許可になりますと、

『営業所における責任者』も配置する必要があります。

建設業法上の営業所になりますと、そこでも「請負契約の締結」ができるようになるためです

 

それを『建設業法施行令第3条に規定する使用人』といいます。

 

こちらも経営業務の管理責任者同様、各営業所に『常勤』が義務付けられています。

つまり、配置された営業所に、現に出勤していなければならない、ということです。

設定の時に裏付資料等で確認されます。注意が必要です。

 

では、今日の本題です。

 

前々回に書きましたが、本店並びに建設業法上の営業所には、経営の責任者とともに『技術の責任者』の配置も求められます。

 

その人を『営業所の専任技術者』(通称:専技)と言います。

 

なることができる条件は下記のいずれを充たした方となります。

一般許可の専任技術者ならば・・・

各業種の対象となる国家資格を取得した方

②各業種の指定学科を卒業した後、実務経験を規定年数積んだ方

 ◎大学・短大・高等専門学校 卒業なら⇒実務経験3年間

 ◎高校・中等教育学校 卒業なら⇒実務経験5年間

この、「学歴+実務経験」のケースには最近新たなルールが追加されています。

※技術資格の中の「施工管理技術者」資格について(令和5年7月1日から施行)

 ◎1級の1次検定合格者は、大学指定学科卒業者と同等とみなす⇒プラス実務経験3年間

 ◎2級の1次検定合格者は、高校指定学科卒業者と同等とみなす⇒プラス実務経験5年間

 ※指定建設業7業種には適用しないので、注意が必要です。

③各業種の実務経験を10年間積んだ方

④国土交通大臣による特別認定を受けている方

 

さらに規模の大きな工事を扱うことになる特定許可の専任技術者ということになると、上記に加えて

⑤指導監督的実務経験を2年以上積んでいる方

⑥指定建設業(土木工事・建築工事・電気工事・管工事・鋼構造物工事・舗装工事・造園工事)の場合は、

 1級国家資格者、技術士または国土交通大臣認定者しか認めない。

というルールがあります。

 

資格によっては、複数業種を担当しうる資格もありますので、

そうした場合は専任技術者1名で複数業種の担当を兼ねることは可能です。

指定学科についても、学科によっては複数業種の対象となっているものもありますので、

同様の扱いです。

 

ただし、実務経験のカウントは、原則として複数業種の同時進行はできません。

たとえば、実務経験10年で専任技術者となる場合、2業種の専任となるためには、

10年×2=20年の経験が必要となります。

同時期に実際両方の経験を積んでいたとしても、実務経験期間として使用できるのは

選択した1業種に対してだけ、ということです。

 

この点、実は例外があります。私の知っている県によっても扱いが違うところがあります。

あくまで、原則的に、です。

 

また、学歴に対してですが、

◎指定学科に該当しなければ使えない(普通科など)

◎専門学校や各種学校は対象外の学校もある(要確認)

など、「適用外」の範囲もあるので、注意が必要です。(適用外なら⇒10年経験)

 

最初にも書きましたが、この専任技術者という立場の方は、各営業所にそれぞれ配置する必要があります。

(営業所掛け持ちは出来ません。その営業所に常勤でなくなるからです。)

 

ですから、本社で専任技術者となっている方の資格と営業所で専任技術者となっている方の資格が違えば

(担当できる業種が違えば)、本店(会社が持っている許可業種)と営業所が担当しうる(請負契約が出来る)

業種に違いが生じるケースも生じます。

 

たとえば、、、

会社(本社)は二級土木施工管理技士が専任で、土木・とび・舗装の3業種を持つ

営業所は舗装実務経験10年の技術者の専任のみなので、舗装1業種だけ

ということもあります。

 

ただ、ここで基本的に事に立ちかえる必要がありますので再度書きますが、

この業種の数というのは、あくまで「500万円以上の請負契約が締結できる業種」

ということです。許可を持っていないとできないことは上記の行為ですから、

あくまで上記規模の請負行為ができないだけで、施工能力については制限されていません。

 

ですから、先ほどの例で申し上げると、土木工事の発注があり、それが営業所所在の市区町村であった

としても、本店で契約行為を行ってもらえれば、施工に至ることは何の問題もないということです。

当該営業所では、500万円以上の請負契約は、舗装工事しかできない、ということになります。

 

建設工事を主として担うわけですから、『どんな』、そして『どれだけ』の技術者を

雇っているか、ということは、その業者さんにとってのアピール財産となります。

 

正直、技術者においては、もう少し、突っ込んだ議論があります。いずれお話しすることになるかと思いますが、「技術者の現場配置」というお話しです。

ここでも、「配置できるヒト」、「配置できないヒト」のルールが存在します。

 

今回は、許可の取得においてのお話なので、こういった技術者が必要なんですよ、というお話しまで。

 

ちなみに、前回の経営業務管理責任者も、今回の専任技術者も、

申請業者の常勤」であることが求められます。他社と掛け持ちはできないということです。

もっと砕けた言い方をすれば、

申請業者に所属している者(厳密には経管は常勤の役員、専技は常勤の役員または社員)

ということになります。

 

では。

次の条件は、また次回です。